« XP祭り2005 | メイン | 「加賀百万石時代村」と「ふれあい昆虫館」 »

映画『ロボッツ』と『es』

movie.gif
スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』に続いて、昨日息子と『ロボッツ』を劇場に観にいった。

これは、ピクサーでもドリームワークスでもない FOX の CG アニメーション。2002年にも FOX の CG アニメーション『アイス・エイジ』があったが、その監督のクリス・ウェッジ氏による新作が『ロボッツ』だ。
※ ちなみに、来年には『アイス・エイジ2』が公開されるそうだ。

CG がとても綺麗だった。素晴らしい技術だ。
息子は、随所で声を上げて笑っていた。子供のような素直な気持ちで観ると楽しめる映画だと思った。


『ロボッツ』でほんわかとした気分になって帰ってきた訳だが、夜は、家でひとりで『es』というドイツ映画を観た。

三十年程前にスタンフォード大学の心理学部で行われた実験をもとにした映画。模擬刑務所内で看守役と囚人役を与えられた二十人位の被験者を二週間観察する、という実験。実験が進むにつれ、役に合わせて看守役の性格が支配的・攻撃的に変化していき、とんでもないことになっていく。怖い映画だ。

イラクのアブグレイブ刑務所で起きたアメリカ兵によるイラク人虐待事件を連想させる。人間が置かれた状況によって、驚くべき凶暴な行動を取る、ということは、様々な実験によって確認されているらしい。

戦時下なども多分そうだと想像するが、ごく普通の人でも、特殊な状況下に置かれると、非常に凶悪なことを行い得る、というのは、多分事実であり、そこが怖い。

凶悪な事件が起こると、マスコミなどは、「それは自分達とは違う特殊な人が起こした一般の人には理解しがたい理由に基づくもので、自分達一般人にはけして起こり得ないものである」という点を強調する傾向があると思う。

しかし、凶悪な事件に対して、「普通の人間なら、そんな馬鹿なことになる訳がない」とか「自分ならそんなことには絶対にならない」とか安易に思える人間程、es のような特殊な環境に遭った場合にそれを冷静に受け入れることが全く出来ず、脆いのではなかろうか、と思う。自省したい。

コメント (3)

ひじり:

私もesを見て、衝撃を受けました。

私の持論は、特殊な状況下においても強く正常心を保てる人もいるが、一般の人はそうではない。だから、そもそも、人を特殊な状況下に(長く)置いてはいけないということです。

最近、子供に対する痛ましい虐待のニュースが多いですが、何故、そうなってしまったのかが、私にも分かるので、その事を良いとは思いませんが、一方的に非難をすることは、とてもできません。

てらだ:

es は私も見ました.
同様の衝撃を受けました.

特殊な状況下でも正気を保ち生き延びる人は,夕日を見て美しいと感動するような感性を維持できる人だと聞いたことがあります.よく覚えていないのですが,どこかの強制収容所を生き延びた人の体験談として聞いたのだと思います.これは「囚人」側の人の体験談ですが,「看守」側の人にも言えるのかもしれません.

ひじり さん、てらだ さん、こんにちは。

自分の大切な人を、「特殊な状況下」に長く置かないように注意すべきですね。
孤独な子育て、いじめの被害者、などは十分に危険で特殊な状況だと思います。

es 程ではありませんけれど、私も少しだけ経験があります。普通の人は、特殊な状況下では正常で理性的な行動が難しくなるようです。

# 心の修行を積めば、耐えられるようになるのだろうか。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2005年08月16日 04:35に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「XP祭り2005」です。

次の投稿は「「加賀百万石時代村」と「ふれあい昆虫館」」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35