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2009年01月 アーカイブ

2009年01月02日

舞美人

一昨年、昨年と正月の酒は、福井県鯖江市の加藤吉平商店の『梵』だった。ここは無添加の純米酒しか造っておらず、長期氷温熟成されたその旨さは堪らない。熟成された旨みを持ちつつも、驚く程フレッシュでフルーティな酒が多いのが特徴だ。ちなみに、私が好きなのは看板商品である吉平。福井の酒というと、うちから徒歩10分の黒龍酒造 (福井県永平寺町) が有名で、『梵』はよく、ここの『黒龍』と比較されるが、私はどちらかというと『梵』の方をよく飲む。

しかしながら、今年の正月の酒は、福井県福井市の美川酒造場の『舞美人 2004年醸造 純米吟醸 常温熟成 無濾過本生原酒』というのにしてみた。

この酒は、知人に昨年十二月に紹介されたものだ。

どんな酒か、美川酒造場の Web サイトから引用してみよう。

2004年新酒として木槽(きぶね)で搾った後、全くの手を加えず自然と蔵が育てたお酒です。2004年タンクに貯蔵後、蔵の中で常温熟成させた純米吟醸の無濾過本生原酒です。このような状態で貯蔵されたお酒は、非常に珍しく、純米でありながら火入れも行わず自然熟成させるということは一種の賭けでもありましたが、杜氏の強いこだわりから出来上がったお酒です。

試飲された酒屋さんたちのご要望により、今月新発売いたしました。

深みのある味わいと酸味の調和がとれた熟成酒。琥珀色の優しい甘味が、料理の味を引き立てます。常温または燗酒で飲むのが、蔵元・杜氏のおすすめです。アルコール度数の高い原酒ですので、ロックや1割程度ミネラルウォーターを加えていただくと、より一層飲みやすく、違った味わいをお楽しみいただけます。

■ 美川酒造場

昨年の年末に美川酒造場に行ってきた。

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その酒蔵は、福井県立図書館の近くの細い道を奥に入った、かなり判り難い場所に在った。蔵元と店長が夫婦でやっている小さな酒蔵で、そのお二人が迎えてくれた。東京の知人から聞いてきたと云うと、最近東京で試飲会があったとのこと。それから、この酒が限定五百本であることなどを教えてくれた。

■ 舞美人 2004年醸造 純米吟醸 常温熟成 無濾過本生原酒

美川酒造場では、一升瓶を一本購入してきた。

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正月用に買ったのだが、待ち切れず大晦日の夜に開封した。

グラスに注ぐとこんな感じ。四年間常温熟成させたというだけあって、かなり黄色い。

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口に含んでみて吃驚した。実に旨い。香りといい味といい、こんな日本酒は初めてだ。今まで飲んだどの古酒の味わいとも異なる。

熟成香がすぅーっと鼻に抜ける。甘味と酸味が絶妙のバランスで、有り得ないようなコクが有る。舌の上にとろりとくる飲み心地で何時までも味わっていたい感じ。日本酒よりも、ハンガリーの貴腐ワインのような印象だ。

厚みのある飲み応えで、濃い味の肴にも負けない。塩辛などの珍味類は勿論、パルミジャーノ・レッジャーノと一緒でもいけたくらいだ。

■ 正月のその他の酒

石川県白山市鶴来本町の小堀酒造店『萬歳楽 白山 大吟醸古酒』と飲み比べてみた。

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こちらは、大吟醸を三年間熟成したもの。上のに比べると、色はやや薄め。

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味わってみると、同じ古酒でも全く違っている。こちらは、熟成香に加えて大吟醸の上品な吟醸香がして、ずっと辛口で、あっさりと上品な味わいだ。良くも悪くも予想を裏切らない味わい。

もう一本、普通の生酒として、福井県福井市の常山酒造の『両替屋秘蔵 生詰』も開けた。

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こちらもどっしりとした甘みとこくがある酒だ。

今年の正月は、上記三本の日本酒とサントリーのザ・プレミアムモルツ黒、それからデザートワインとしてドイツのプファルツ地方のリースリング アウスレーゼを楽しんだ。

このうち、舞美人は半分ばかり残っている。まだ暫くは楽しめそうだ。

2009年01月09日

Are you logical? 'Wason's Four-card Task' (あなたは論理的?「ウェイソンの四枚カード問題」)

"Are you logical? 'Wason's Four-card Task'"

Hello, everyone.

I'm a software development engineer. The ability to think logically is important for engineers.

Today, I'd like to introduce a logical puzzle which tests your logical thinking skills. It's known as "Wason's Four-card Task".

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Four cards are on a table.

[D] [A] [7] [4]

Each card has a letter on one side and a number on the other side.

The question is, which of these cards would you need to turn over in order to know whether the following statement is true or false?

The statement is: "If a card has a vowel on one side, then it has an even number on the other side."
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Got it? What's your answer?

# For your information, Wason gave this test to 128 University-educated adults, and only 5% gave the proper answer.

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『あなたは論理的?「ウェイソンの四枚カード問題」』

皆さん、こんにちは。

私は、ソフトウェア開発のエンジニアです。エンジニアには論理的に考える能力が大切です。

今日は、論理的に考える能力をテストする論理パズルを紹介します。このパズルは、「ウェイソンの四枚カード問題」として知られています。

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四枚のカードがテーブルの上に置かれています。

[D] [A] [7] [4]

おのおののカードには、片面にアルファベット、その裏面には数字が書かれています。

次の命題が真か偽かを知るためにはどのカードをめくる必要があるでしょうか、というのが問題です。

命題: 「カードの片面に母音が書いてあれば、その裏面には偶数が書かれている」
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さて答えは何でしょうか?

# ちなみに、ウェイソン はこのテストを 128 人の大学を出た成人に行いましたが、正解者はたった 5% でした。

2009年01月10日

The Solution for 'Wason's Four-card Task' (「ウェイソンの四枚カード問題」解答編)

[D] [A] [7] [4]

"The Solution for 'Wason's Four-card Task'"

Hi, everyone.

Yesterday, I introduced to you a logical puzzle.

It may not be very difficult for programmers who are familiar with logical thinking.
But Wason gave this test to 128 University-educated adults, and only 5% gave the proper answer.

The most common answer given was "A and 4," by 46% of the people, and the second most common answer was "4" by 33% of the people.

However, when the puzzle was changed to another situation, most people gave the correct answer.

"Similar logical puzzle in another situation"
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You are a police officer.
Now, you need to check whether people drinking alcohol are of the legal drinking age in a cafe.

When you enter the cafe, you can see four people drinking something.
Then you find that one person is drinking Coke and another person is drinking beer.

You don't know what the other persons are drinking yet, but your partner knows their ages; one of them is 16 years old and the other person is 22 years old.

Now, which of these people would you need to check his or her age or drink?

(A) The person drinking Coke of an uncertain age
(B) The person drinking beer of an uncertain age
(C) The 16-year-old boy or girl drinking an unknown drink
(D) The 22-year-old person drinking an unknown drink
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I think this is an easy puzzle. The correct answer is "'the person drinking beer of an uncertain age' and 'the 16-year-old boy or girl drinking an unknown drink'".

You don't need to care how old the person drinking Coke, and also, you don't need to care whether the 22-year-old person is drinking alcohol or non-alcohol drink, but you should confirm how old "The person drinking beer" is and what "The 16-year-old boy or girl" is drinking.

By similar reasoning, we can come up with the correct answer for the yesterday's puzzle: "A and 7".
Let's hear it for the people who gave the correct answer!

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『「ウェイソンの四枚カード問題」解答編』

皆さん、こんにちは。

昨日、論理パズルを紹介しました。

論理的思考に慣れているプログラマーの方には、それほど難しくなかったかも知れません。
しかし、ウェイソンは、大学出の成人 128人にこのテストを実施し、たった 5% からしか正解は得られなかったのです。

もっとも多い答えは 46% の人が答えた「A と 4」で、次に多い答えは 33% の人が答えた「4」でした。

ところが、このパズルを別の状況に置き換えたところ、今度は殆どの人が正解したのです。

○ 別の状況の同様の論理問題
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あなたは警察官です。
これから、カフェで「酒を飲んでいる人が、法的に酒を飲んでもよい年齢 (20歳以上) かどうか」を調べなければいけません。

カフェに行くと、そこでは四人の人が何かを飲んでいます。
見ると、一人はコーラを飲み、一人はビールを飲んでいるのが分かりました。

残りの二人が何を飲んでいるかはまだ分かりませんが、同僚が年齢を知っていて、一人は16歳で一人は22歳であることが分かっています。

さて、これから年齢もしくは飲み物を調べなければならないのはどの人でしょうか?

・「年齢が分からないコーラを飲んでいる人」
・「年齢が分からないビールを飲んでいる人」
・「何を飲んでいるか分からない16歳」
・「何を飲んでいるか分からない22歳」
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これは簡単だと思います。正解は、「年齢が分からないビールを飲んでいる人」と「何を飲んでいるか分からない16歳」です。

コーラを飲んでいる人が何歳であっても構わないし、22歳の人は酒を飲んでいても飲んでいなくてもどちらでも構いません。でも、「年齢が分からないビールを飲んでいる人」が何歳かと、「何を飲んでいるか分からない16歳」が何を飲んでいるかは確認する必要があります。

同様の推論により、昨日の問題の答えは、「A」と「7」です。
正解者に拍手!

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2009年01月11日

「抽象的な問題を具体化して解く」ということ

The Solution for 'Wason's Four-card Task' (「ウェイソンの四枚カード問題」解答編)』の更に続きです。

ちょっと考察してみました。

プログラマーの場合は、「論理をコンテキストから切り離して、抽象的なロジックを抽象的なまま記述する」、なんて日常的に仕事でやってることだから、具体例がなくても抽象的な話のままで結構理解できるのかも知れません。

でも逆に、プログラマーは、「問題を分析し、関心事ごとに切り分けてから、解く」というのに慣れ過ぎていて、具体的な問題を具体的なまま理解する、というのが、苦手になっていたりするのかも知れません。

# 私がよくやってしまいます。例えば、妻と会話をしていて、「えっと、つまりそれってこういうことだよね」とか「結局どの部分が問題なの?」とか。妻は、私の「直ぐ分析しようとする癖」が好みではないらしく、これは、夫婦喧嘩のもとです。

で、「問題を分析して抽象化して解かせようとする」というアプローチばかりをとってしまったりします。しかし、抽象的な問題を具体化した方がずっと理解しやすい場合がある、という実は当たり前なことを見逃したりしがちな気もしています。

私は、「複雑な問題はシンプルにしてから解こう」というアイディアは、それ自体がとてもシンプルで良いものだと思います。そして、分解したり、抽象化したり、というのは、シンプルにするのに、とても効果的な方法だと思います。

しかし、分解したり、抽象化したりすることが、いつも最もシンプルな解法だとは限らないのでしょう。逆にそうすることで、見えなくなってしまうものもあるのだと思います。

『一枚の葉にとらわれては木は見えん。一本の木にとらわれては森は見えん。どこにも心を留めず、見るともなく全体を見る。それがどうやら…「見る」ということだ』(沢庵和尚『バガボンド 4』講談社 井上 雄彦著)

2009年01月15日

CES2009 Keynote

CES2009 (International Consumer Electronics Show 2009) でのマイクロソフト CEO スティーブ バルマー氏の基調講演です。

途中でシャルロット・ジョーンズ氏による Windows 7 ベータと Windows Mobile と Windows Liveのデモがあります。
# 他に、ロビー バック氏による Zune と Xbox のデモ、ジャネット ガロアによる Microsoft Research の未来のコンピュータのデモもあります。

※ 動画を観るには Silverlight が必要です。

※ 口述筆記したものはこちら

2009年01月19日

Mashup Seminar in FUKUI

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週末に、Mashup Seminar in FUKUI に参加。


「Mash up Awards」において、『Chamap』 で 2008 年の最優秀賞 に輝いた、福井県勝山市の山健太郎さんの受賞記念イベントだ。


# 『ふくいソフトウェアコンペティション2008 作品発表会』では、僭越ながら司会をさせていただいた。


講演はどれも刺激的なものだった。.NET の話題はほぼ皆無だったが。


また、交流会では、講師の方々や主催のふくい産業支援センターの方、参加者の皆さん (FITEA の人達、学生さん達等) と沢山の話をする機会があった。


講師の皆さんとは、二次会にもお付き合いいただき、へしこや福井の地酒を一緒に堪能することができた。


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素晴らしいイベントだった。主催者の方や講師の皆さんに感謝したい。

■ 概要

Mashup Seminar in FUKUI
日時 2009年1月17日(土)
会場 Aossa (福井県福井市)
主催 (財)ふくい産業支援センター

■ 内容

  • 『Mashup Awards 4と最新IT事情について』サン・マイクロシステムズ株式会社 藤井彰人氏
  • 『マッシュアップで技術革新! ~MA4最優秀賞作品ChaMap~』 DA-Studio 山健太郎氏
  • 『リクルートと "Web as a Platform"』メディアテクノロジーラボ 石橋利真氏
  • 『iPhone/Android/jiglet モバイルマッシュアップセミナー』株式会社jig.jp 福野泰介氏
  • 『ふくいソフトウェアコンペティション2008 作品発表会』 受賞上位3グループ
  • 交流会

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